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演奏とボランティアについて

東日本大震災から3年が経とうとしています。

大勢のボランティアの方が現地へ向かいました。
私は音楽に関わっていますので、
音楽家のボランティアについて今一度。

まず、震災以前から考えていたことですが、
ボランティアというのは本当に難しい。
例えば、サラリーマンをボランティアでやっている人はいないが(それに近い人はいるでしょうが)、
サラリーマンの方が、他のことをボランティアでやることは大いにあるわけです。

しかし音楽家は、演奏自体が仕事です。
本業です。
だから、そこではしっかり生活を支えるだけ稼がなくてはなりません。
しかし、この業界はそんな甘いものではなく、食べて行けるのは一握り。
ですからボランティアで演奏できる余裕がある本職の音楽家はさらに限られているはずです。
ここがデリケートな問題なのです。

演奏場所が欲しいのにない、という方は多いのです。そうなると「タダでもいいので」となりがちです。
タダでもいいので演奏できる人、とはどんな人でしょう。
上に書いた通り、本職の方でその余裕がある方は限られているはず。

しかし、毎年大勢の音大生が卒業し、
演奏能力はそこそこある、しかし演奏場所がない、ではボランティアで…
余裕があるからできるのか?他に食い扶持か財産があるのか…

まずお断りしておきますが、私はボランティアを全く否定していません。
素晴らしい精神だと思います。
ただ、やり方を気をつけないと危険だと思っているのです。
ボランティアの意味をよく考えないと、無料の演奏は、
タダのダンピングになったり、
音楽家の商品価値の低下を招くということを言いたいのです。

食べていけるほどの能力はないが、
生活の糧はあるのでタダで、またはかなりの安値で…
これは否定はしませんが、場合を考えなくてはいけません。
安売り競争が何を招くかは自明の理です。どの業界も変わりないでしょう。
「ウチの商品はタダです♪」
という店が現れたら、周りの商店はたちまち潰れてしまうでしょう。

時に芸術や介護などで、より多くのお金を稼ごうとすることが悪徳のように言う向きもありますが、それは全くナンセンスです。(これについてはここでは書きませんが…)
やはり、演奏やそれに付随する能力とその適正価格というのは存在します。

そうすると人は1円でも安く…となりがちですが、やはり安いものにはわけがあるのです。
しかし、なぜか音楽の場合、それなりのものをタダで、などということも起こり得ます。
これがこの業界の体質というか、問題点だと思うのですが…健全な姿と言えるかどうか…

長くなりましたので、震災時の話に…
震災当時、多くの音楽家が立ち上がりました。
そのことは良いことだと思います。
しかし、その時私が提唱したことは、

●震災以前から、ずっとそういう活動を続けていた方々がいること。つまりは常に目の前に困っている人はいたはずだということも忘れてはならないこと。

●被災地にボランティアで演奏に行くのも良いが、被災地にも音楽家、演奏家はたくさんいたはず。同じ音楽家として、彼らの演奏こそ、支援し、またもとの演奏活動にもどれるように応援することが、より大切ではないか。

特に後者ですが、大手プロダクションの有名タレントが行くというのは、
もし売名という思惑が万一、少しあったとしても、その効果はとても大きかったと思います。
一方、被災地の地方の演奏家ができることをうばってしまうような、ボランティアは本当に正しいのかどうか…?
音楽家なら全体のことを考えて、いてもたってもいられなくなるのは分かるが、
やはり演奏家が演奏できなくなる辛さこそ知っているはず。
実際、大勢の演奏ボランティアが押し寄せ、現地の本職の音楽家のチケットは売れなくなったそうです。

ここは難しい…現地の音楽家などそう数はいないかも知れない。それよりより大勢の被災者の方に音楽を…!
これが正しいかは私にはわかりませんが、そこを深く考えたかどうかが大切なのかと思うのです。

音楽家と生活と演奏したい想いとボランティア。本当に難しい問題です。

苦しい施設の予算で、身銭を切ってでも良い音楽を、と音楽家を呼ぶ人もいる。
それに共鳴して、ならばお金はいらないという演奏家もいる。

逆に当たり前のようにタダで呼んでおいて、そこで働く人間にはその日の給料が出ていて、演奏家はますます苦しくなるということもあるのも事実。

あらゆるケースがあります。
どれもお互いが納得していれば良いのかもしれませんが、
そこに他の業界と同じく、生活をかけている人がいることを少し考えられると良いのかなと思います。

ご批判があるかも知れないのは承知で書きました。
最後まで読んでくださった方、本当にありがとうございました。
加筆・修正などする場合もあるかもしれませんが、ご了承くださいませ。 にほんブログ村 音楽ブログ ヴォーカルへ

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