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滑舌が良くても伝わらない人。滑舌が悪くても伝わる人

ボイストレーナーの浜渦弘志です。
「良く聞き返される」
「何を言っているのかわからない」等々、
私のところにも「滑舌が悪いのでなんとかしたい」というお悩みが良く寄せられます。
今日はこの滑舌について気をつけたいこと、正しい滑舌の危険性等をお伝えします。
少し長くなりますので、お忙しい方は目次の「5.」だけでもお読みいただければと思います。
原稿読み




そもそも滑舌とは


辞書には
「言葉を明確に発音する口や舌の動き」
「演劇やアナウンスなどで,せりふや台本をなめらかに発声すること」
などとあります。
しかし滑舌をどんなに良く練習しても何を言っているのかあまり伝わらない人は大勢います。
逆に、ほとんど口も舌も動かしていないのに、その物語性までしっかり伝わる人もいます。
これはなぜでしょうか?


人は声を通じて呼吸を感じとっている


人は「声を通じてその人の呼吸を感じ取ることができる生き物です」
これは人間より、動物の方がもっと敏感かもしれませんね。
そしてさらに、その呼吸から感情を感じ取るわけです。

つまり、感情があって、呼吸が生まれ、そこに声が乗り、発音が生まれ、最終的に「滑舌」につながるわけです。
もちろん、感情は「感情がない」という感情もありますから、ここでは優先順位を、

呼吸(感情)>声(母音)>滑舌

と簡単にしておきましょう。
これは優先順位でもありますが、結局は我々の中で作られる順番、進化の過程でつくられてきた順番でもあるわけです。
こう見ると、滑舌は大切ではあるけれども、もっと優先順位の高いものがあるということがわかります。


滑舌が悪くなる理由と滑舌練習の危険性


では本題に入って行きますが、多くの方が悩まれる滑舌ですが、原因はいろいろあります。
私はこれまで大変多くの生徒さんをみてきました。
その中で、滑舌が悪くなる理由を簡単にあげますと…

●歯並びが悪い
●骨格の問題
●舌の長さ
●舌や唇の使い方や筋肉の弱さ

などがあげられます。
最初の3つなど、それを言ったら絶望的になると思われるかもしれませんね。
確かにその通りですが、それは呼吸の使い方で大方は解決できます。
というより、呼吸が良くなれば歯並びの悪さなどで起こる滑舌の悪さはカバーできるということです。

そもそも滑舌などは程々で十分なのです。
前項で書きましたように、一番大切なのは感情を伝える呼吸です。
これを無視して、多くの方が、滑舌ばかり気にして、4つ目の舌や唇の使い方ばかり治そうとしてしまいます。
呼吸が悪いまま、こんなことをしてしまうと、ダメな呼吸を補うガチガチの無理やりな滑舌になってしまいます。
この問題は、滑舌よりも、発声が悪くなり、呼吸も硬くなってしまうことです。
つまり、滑舌以前の優先順位の高いものが全滅してしまうということです。

実際、滑舌を直す教室に通った結果、これまでに言えなかった例えば、
「サ行」や「ザ行」が言えるようになったと喜びつつ、その実、発声も呼吸も以前より悪くなったという人はとても多いのです。

ではどうすれば良いのでしょうか?
もちろん、優先順位を守ることが重要なのです。


ベテラン名声優・名俳優さんには滑舌の悪い人が多い!?


実はベテランの名声優・名俳優には滑舌が悪い人は大勢いるのです。
もちろん、普通の方にはそれはバレませんし、ストーリーや気持ちもしっかり伝わります。

それはどういうことでしょうか?

ここで重要なのはストーリーや気持ちがしっかり伝わるということであって、正しい標準語のイントネーションや滑舌が伝わることが重要ではない、ということです。

例えば今の声優さんの方がかつての、またベテランの声優さん達より滑舌は相当よくなっています。
しかし…「物語として」何を言っているのかは後者の方が実際良く伝わる事の方がこれも相当多い。
なぜか?それは最初の項で書きましたように、
「ひとは声を通じて呼吸を、呼吸を通じて想いを聞いているから」です。

昔はボイストレーニング方法も確立されておらず、養成所なども今のようになかったので、見よう見まね、悪く言えば根性論でやってきた方も多いわけです。
そのため、多くの人がうまくならないまま、業界を去って行ったのも事実です。
しかし、それを乗り越えて生き残った人たちは、練習量がすごいのはもちろん、根性論でも喉を壊さない方法にたどり着いたために、基礎がとてつもなくできてしまっている場合がほとんどなのです。

もちろん私は、ただの根性論はまったくお勧めしません。
しかし、方法論が発達し、論理的なレッスンが可能になったために、起こっている弊害もあるのです。
呼吸法も正しいし、効率の良い発声も手に入れ、滑舌も良いが、
「個性がない」
「想いが伝わってこない」
という弊害です。


「表現の基礎である呼吸の豊かさや強さ」ができていないのに、結果だけ良くなると、例えばカラオケでは良い点が取れても、実際多くの人を心から感動させることはできない、というような現象が起こってしまうわけです。

逆に名優と言われる方々は、伝わる呼吸ができ、しかもその「スケール」が大きいので、伝わってしまう。
つまり、滑舌はあまり問題ではなくなり、むしろその滑舌の悪さの方向性が個性として大いに役立っていたりするのです。
もちろんその上で滑舌が良い方も大勢いますが、「実は滑舌が悪いのに、伝わってしまうためにむしろ滑舌が良く聞こえる」場合もとても多いのです。

これは我々が日本語を母国語としているためもあると思います。
日本語に不慣れな人には、想いは伝わらなくとも滑舌だけ良い、という方が喜ばれる場合もあるかもしれませんね。


滑舌に悩む前に。強く安定した呼吸の基礎を作れば問題は解決する!


以上のように、滑舌は大切ではあるけれども、その優先順位は、呼吸の基礎がずっと優ります。
呼吸の基礎ができているということは、常になめらかで強い呼吸がどんな発音においても吐けるかということでもあります。
例えばMやPという息をためる子音の後に、一気に息が出てしまわないようにしたり、SやHなど、息漏れしやすい子音でも強くゆったり息を吐いて母音につなげられるというようなことです。

もっと言えば、まずはなめらかに強い呼吸を吐き、そこに曖昧でも良いから子音はまた母音を載せられるかということです。

実は(アナウンサーを目指すような方はともかく)、ほとんどの人のはこの呼吸の基礎だけで、聞き返されたり、何を言っているのかわからない、というような問題は解決します。
日本語を母国語としている人は、日本語の単純な正しさではなく、呼吸の流れや強さ、なめらかさなどから物語性や想いを自動的に推察し、言葉として理解しているのです。
逆に、どんなに滑舌が正しく、声が大きくても物語性や想いが伝わらなければ、聞こえていても、

「え?いまなんか言った?」

と聞き返されてしまいかねません。
関心を持たれない、ということでもあります


絵でも歌でもうまくてもあまり関心のないものもありますし、うまいと言えないものでも、気になってじーっといつまでも眺めたり、なんども繰り返して聞いてしまったりするものもありますよね。

実は発達すべきは「人に伝わる呼吸」という基礎を論理的にに学び、それを普通の人の何倍ものスケールに育て上げる方法論であったはずですが、残念ながら、手っ取り早くうまくなりたい、高い声が出したい、という世間の要請に答えた結果、
「うまいのに伝わらない、滑舌が良いのに聞き返されるという」本末転倒なことがおこってしまっているのです。

もちろん、人に伝わる呼吸という基礎を教える方が何倍もむずかしいのです。
【レッスン受講・体験レッスンのお問い合わせお申し込み】 >>>ボイストレーニングS.V.L.ウェブサイト または、メールinfo☆song-voice-life.com (☆を@に変えてください)にてお待ちしております。 ※プロ・アマチュア、ジャンル、経験は一切問いません。 声のことが良くわからない、人前で声を出すのが怖い、すぐ喉が痛くなる、声が枯れる、自分の表現に限界を感じる、とにかく自由に表現したい…あらゆる声の「何を」「なぜ」「どのように」におこたえします。 (レッスン担当講師は浜渦弘志・渡辺麻衣のどちらかになります。) ボイストレーニング SONG-VOICE-LIFE(東高円寺・センター南 他)
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